心理学・雑学

【心理学】他人の心を読むフリをする『占い師の技術』/バーナム効果/確証バイアス

【心理学】他人の心を読むフリをする『占い師の技術』/バーナム効果

占い師はどうやって他人の人生を占う?

皆さんは占いを信じますか?

本物の占い師は存在するか?

あなたは占い師を信じますか?

世の中には他人の性格を言い当てたり、過去に起きた出来事やこれから起きる出来事を言い当てたりするなどの様々な占いが存在します。

彼らには、特殊な能力があるのでしょうか?

結論から言うと、彼らには人の心読み過去と未来を言い当てる能力は持っていません。

彼らは、巧みな話術と洞察力で私たちから情報を抜き出し推理し、私たちの全てを言い当てるのです。

今回の記事では、『占い師が他人の心を読むために使用している話術』について紹介していきます!

他人の心を読むための話術

コールド・リーディングという話術

コールド・リーディング:事前の準備なしで他人の心読む

占い師が人の心を読む理由としてコールド・リーディングとはどのようなものなのでしょうか。概要を説明ていきましょう。

コールド・リーディングとは?

コールド・リーディングとは”]コールド・リーディングとは、占い師や詐欺師がよく使う会話術である。事前の準備なしに(コールド)他人の心を読む(リーディング)テクニックという意味合いを持つ。

占い師の仕事の多くは初対面の人間を相手に話をすることが多いので、前もってお客の個人情報を収集することは不可能です。なので、

初対面の相手に対して心理学を駆使した会話術を用い他人の心を開かせた上で、外見的な特徴からも様々な推理を下し、あたかも他人の心を読んでいるかのように見せかける必要があるのです。

従って、心を読んでいるわけではありません。

コールド・リーディングで用いられる心理テクニック

二つの心理学テクニック

初対面で全く面識のない相手を相手にしても『あたかも相手の心の奥底を見透かしている』かのように錯覚させることのできる『コールド・リーディング』ですが、この話術にはいくつかの心理学のテクニックが使用されています。

占い師が用いる心理テクニック
  • バーナム効果
  • 確証バイアス(肯定的検証法)

以上の二つが占い師が客から情報を得る際に使う心理効果です。

それでは、それぞれの心理テクニックについて解説していきたいと思います

バーナム効果:自分はオリジナルな人間

『自分は他人とは違うオリジナルな人間』だという思い込み

それでは、コールド・リーディングで実際に使われている心理テクニックを紹介したいと思います。

始めに紹介するのは『バーナム効果』という心理効果です。この心理効果は至るとこで紹介されているので名前を知っている方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

バーナム効果とは

誰にでも当てはまる特徴でも自分特有の特徴であると錯覚する心理現象を指す。

例としては『あなたは、冷静な人間ですが、時として感情的になってしまう傾向にある』という誰にでも当てはまるような文章でも『あたかも自分の性格を読み取られた』と勘違いしまうことです。

バーナム効果は上記のような説明があれば絶対に引っかからないと皆さん思うと思うのですが、案外多くの人が引っかかってしまうのですよ。

一体何故、誰にでも当てはまる文章が自分の特徴を表現されているように感じてしまうのでしょうか?

それは、人間の持つ『自分は他者とは異なる独立した人間であると同時にオリジナリティのある人間である』という思い込みが生じさせます。

人間の性格や生活にはあまり大差がない

『自分は他者とは異なる独立した人間であると同時にオリジナリティのある人間である』と思い込んでいると話しました。

私たち人間は『実際に自分が体験した出来事を自分にとってかけがえのない思い出』として認識します。しかし、実はこの思い込みとは異なり『人間の性格や生活』には体人と比べて大差がありません。

誰でも『とびきり嬉しい経験』や『大切なものを失った悲しみ』、『他人に対しての激しい怒り』などの体験をすると思うのですが、それらの体験が多くの人間が体験しているありふれた体験だと思いたくないですよね?

だから、『自分が体験した出来事の中でも特に「激しい感情」が絡んでいるもの』は自分だけが体験している特別な思い出として残るのです。

だからこそ『あなたは過去に人にはいえないほどの大きな悲しみを経験しましたね?』というような誰にでも当てはまるような言葉を投げかけて『自分の占いが当たった』かのように見せかけるのです。

確証バイアス(肯定的検証方略)

都合の良い情報を頭の中で『検索』する

続いてもう一つの心理テクニックをご紹介したいと思います。それは確証バイアス(肯定的検証法略)を用いたものです。

確証バイアス(肯定的検証法略)とは

確証バイアス(かくしょうバイアス、英: confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている

そして、今回紹介する肯定的検証方略とは、自分の考えが正しいか否かを検証する際に、自分考えが正しいと言うことを証明する証拠を探してしまい、それに反論する情報に注目しようしないという傾向である確証バイアスの一種のことです。

上記の説明だけでは確証バイアスに関しては聴き慣れない言葉だと思うので、具体例を出しましょう。以下は確証バイアスの例を表したものです。

確証バイアスの具体例
  • 『テストの結果を自己採点する際に正答率ばかりに目がいってしまい、何がどう間違っているのか考えようとしない』
  • インターネット検索で『自分の意見を肯定してくれる情報』ばかりを検索してしまう
  • 嫌いな人間の『嫌な所』だけに目がいく

以上が確証バイアスの簡単な例です。どうですか?誰しも上記の例の経験はあると思います。

肯定的検証法略とは、この確証バイアスの一種でして、『質問に対して「その質問を肯定してしまう記憶」を選択的に思いこしてしまい、投げかけられた質問自体に肯定してしまうことをさします。』

上記の説明だけだとわかりにくいと思うので、少し具体例を見てみましょう

肯定的検証法略の具体例

『あなたは几帳面な人間ですね』と言う問いに足して、

私たちは『自分の几帳面な特徴が如実現れている過去の経験や態度』を脳内で検索します。

その結果、自分が思い描いた『几帳面な自分のイメージ』を根拠に、

『私は几帳面な人間である/かもしれない』と言う結論を出します。

人間は自分の意見を肯定してくれる情報を探す情報を探します。

そして、他人に対して行う質問でもついつい『相手が肯定しやすい』ような質問の仕方をしてしまいます。これは質問を受ける側も同じで『質問に答えるために「質問の内容を肯定する」内容に目を向けてしまう』のです。

このようなことから『あなたは几帳面な性格ですね?』と問われれば、几帳面な自分を記憶の中から引っ張り出して『自分は几帳面な性格である』という結論を出し、『あなたは大雑把な性格ですね?』と問われれば、大雑把な自分を記憶の中から引っ張り出して『自分は大雑把な性格である』という結論を出してしまいます。

占い師は、会話の中にこの『確証バイアス(肯定的検証方略』』を組み込んで私たちを魅了します。

続いては、実際にバーナム効果と肯定的検証方略が使用されている例文をご紹介したいと思います。

二つの心理テクニックを組み込んだ例文

コールド・リーディングの例文

あなたは普段は冷静な人間ですが、時として感情的になってしまう傾向にありますね。

それが原因で起こってしまった昔の失敗を今でも悔やんでいます。

しかし、そのように過去を悔やむことができるということはきっとあなたは善良で優しい心を持った人間なのでしょう。

おそらく過去に、あなたを良い人間に導く何かが合ったのだと思います。それは何でしょうか?

あなたは、上記の例文のどこにバーナム効果と肯定的検証法略のテクニックが使用されているかわかりましたか?

答え合わせをしましょう。

答え合わせ

=バーナム効果 =肯定的検証法略

あなたは普段は冷静な人間ですが、時として感情的になってしまう傾向にありますね。

それが原因で起こってしまった昔の失敗を今でも悔やんでいますよね?

しかし、そのように過去を悔やむことができるということはきっとあなたは善良で優しい心を持った人間なのでしょう。

おそらく過去に、あなたを良い方向に導く特別な経験や出会いをしたのだと思います。それは何でしょうか?

以上のように、この例文の中には『バーナム効果』と『確証バイアス(肯定的検証法略)』の二つが巧みに使用されています。

バーナム効果は『誰にでも当てはまる内容を自分特有のものだと勘違いしてしまう心理現象』で、これは、人間は『自分は他の人間とは考えていることが全く異なる』という思い込みから生じる。

肯定的検証法略とは確証バイアスの一種で、対象としている言葉の内容によって思考の方向性が決定付けられてしまうことを指す。

占い師は、この二つのテクニックを巧みに使って私たちを魅了している。



終わりに:占い師の発言を観察してみよう

仕組みが理解できると『楽しみ方』が変わる

『占い師』を観察してみよう

今回は、占い師が人の心を読むためにしようする『コールド・リーディング』という話術の紹介と、使用されている二つの心理効果についての解説をしてまいりました。

『バーナム効果』では、『誰にでも当てはまる内容の文章』を会話の中に散りばめることで心を読んだように見せかけます。

『確証バイアス(肯定的検証法略)』では、『質問の内容を肯定しがちな人間の性質』を利用してあたかも自分が相手の過去や心のうちに秘めた思いを言い当てたように錯覚させます。

占い師は主にこの二つの心理効果を用いて初対面の相手でも『相手のここを見透かしている』かのように振る舞うのです。

このような情報を知ってしまうと、純粋に占いを楽しめなくなってしまったりしてしまうかもしれませんが、テレビなどで放送されている占い番組などで『あっ、この人『確証バイアス』で情報を抜き出している!!』などと観察できるようになりますので新しい楽しみ方につながるのではないかと思います。

また、コールド・リーディングの知識は日常生活の至る所で有効活用できると思いますので今回の記事を参考に色々と工夫をしてみてください!!

最後までお付き合いいただきまして誠のありがとうございました。

次の記事でお会いしましょう!

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