【心理学】ダブルバインド効果:自分の思い通りの選択を相手にさせる方法 | 選択肢の心理学
日常生活やビジネスの場面などにおいて『相手に自分の思い通りの選択をしてほしい』とか『これの選択肢だけは選ばせたくない』というシチュエーションは結構あるとお思います。
今回の記事では、心理学の『ダブルバインド効果』というものを使って相手に自分の思い通りの選択をさえる方法について紹介していきたいと思います。
ダブルバインド効果とは?
”二重拘束”と言われる相手の選択肢を限定させる手法
ダブルバインド理論は”グレゴリー・ベイトソン”、”ジャーゲン・ロイシュによって提唱された理論です。
本来は”矛盾する二つの選択肢を提示して相手を混乱させる”といったものなのですが、心理効果としては結構有名で、ビジネス本などでもよく見かけます。
うまく利用することにとって日常会話やビジネスシーンにおいて大きな貢献をしてくれるでしょう。しかしこのダブルバインド効果には結構な落とし穴があって、使い方を間違えると相手に大きなストレスを与えてしまったりしますので注意が必要です。
日常生活で悪影響を与えるダブルバインドの例
日常でのダブルバインド効果の活用例をお話しする前に”ダブルバインドによる悪影響”の例を紹介していきます。
まず、ダブルバインド効果には”否定的”と”肯定的”というものがあります。否定的ダブルバインドは矛盾する発言がネガティブな内容であったり、連想させるようなものであることを言います。
否定的ダブルバインドは結構相手にストレスを与えてしまうので注意が必要です。以下の例を参考にしてください・
否定的ダブルバインドの悪影響の例
- 『分からないことは何でも聞いて』VS『自分で考えなさい』
- 『何でも買っていいよ』VS『それだけは買わないで』
- 『怒らないから話して』VS『話したのに怒られる』
上記がダブルバインド効果の例です。上記の例は皆さんの中にも結構体験したことがある人がいらっしゃるかもしれません。
例えば、『怒らないから話して』と言われたとしても、悪いことをしていたら絶対に怒られるだろうと容易に想像できますし、大概怒られます。
このように、結果が目に見えているのにそれに矛盾するような問いかけをされた時に人間は結構なストレスを感じてしまい、コミュニケーションの場面において悪影響が生じてしまうのです。
ダブルバインド効果の活用例
肯定的なダブルバインドを使う
相手に二つの選択肢を与えて”回答を誘導する”
ダブルバインド効果は使い方を間違えると多大な悪影響を相手に与えてしまう可能性がある手法なのですが、肯定的なダブルバインドを使うことによってポジティブな影響を相手に与えることができるでしょう。
例えば、『お風呂にする?ご飯にする?それともア・タ・シ?』という発言もダブルバインドが含まれています(3つありますが)。
上記の場合だと、発言の内容によって相手の選択肢が
- お風呂
- ご飯
- ア・タ・シ
の3つに絞られているので、相手は無意識のうちに”3つの選択肢のうちのどれか”を選択する可能性が高くなります。
肯定的ダブルバインドの例
- フレンチ料理がいい?それともイタリアンがいい?
- Aの車とBの車ではどちらが魅力的でしょうか?
ダブルバインドをうまく活用できれば、相手に”自分から選択した”という錯覚を覚えさせやすくなるので、一度ハマれば今後の流れはかなり楽になるでしょう。
ですが、くれぐれも相手が困ってしまうようなダブルバインドにならないように気をつけて使用するようにしましょう。
終わりに:ダブルバインドで失敗しないために
悪用しようとしたり乱用すると信頼関係が崩れます。
人間は悪意に対して敏感なので使用する際には気をつけましょう。
ダブルバインド効果は日常的によく使用されている心理効果です。従ってあなたも知らず知らずのうちにこの心理効果によって選択を誘導されていた可能性もあります。
結構使い方も安易に想像しやすいものなので、直ぐに使いたいとは思いますが使用する際には注意が必要です。
人間は今回紹介したような”否定的ダブルバインド”や”下心の見えるダブルバインド”に対してはストレスを感じ嫌悪感を覚えやすいからですね。なので、ダブルバインド効果を使用して失敗をしないために以下の注意点を把握しておくといいでしょう。
ダブルバインドの注意点
- 誠意を持って相手に接する
- 常に相手が損をしない選択肢を提供する
- 自分の発言が不快に思わないか慎重に考える
- 会話の流れに沿った自然な流れで使用する(唐突に使用しない)
- 否定的ダブルバインドは絶対に使用しないように気を付ける
上記がダブルバインド効果を使用する際に注意しておきたいことです。繰り返しますが人間は私たちが考えている以上に”他人の悪意”や”損失が懸念される場面”に敏感な生き物です。
従って信頼関係を崩壊させないためにも、相手に誠意を持ってお互いのがいい気分になれるようにダブルバインド効果を使用するように努めましょう。
私利私欲を満たすためにダブルバインド効果をしようとするのは絶対にいい結果にはつながりません。ご留意ください。